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住友不動産が都心に巨大展示場を開設
マンション販売も家電量販店型へ

週刊ダイヤモンド編集部
2011年11月4日
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家電量販店が退転した後に設置された秋葉原の総合ギャラリー。77物件を扱い3タイプのモデルルームを用意。首都圏全域の消費者がターゲットだ。

 週末にマンションの建設現場近くに設置されたモデルルームへ行って、良し悪しを吟味する――。

 こういったマンションの購入方法が大きく変わりそうだ。

 住友不動産は、新宿、池袋、渋谷、田町、秋葉原の山手線の主要ターミナル5駅の近隣に大型のマンション展示場を開設した。「総合マンションギャラリー」と銘打たれた新型の展示場は、5ヵ所あわせて2500坪(約8000m2)という巨大施設。扱うマンションは、首都圏で販売中あるいは販売予定の物件で、開業当初は77物件を扱う。施設内には代表的なプランのモデルルームや内装のサンプルが展示されていて、マンションの購入希望者は個々の物件を回らなくても、1ヵ所で比較・検討できるようにしている。

 今後、住友不動産が東京23区内で売り出す新築分譲マンションは、原則として現地のモデルルームを設けず、5つの展示場のみで販売する。

 秋葉原のギャラリーは家電量販店の抜けたビルの1~4階を利用したもの。このギャラリーが象徴するように、住友不動産の戦略は最近の家電量販店の出店モデルと重なる。

 つまり、都心ターミナル駅付近に大型店を出店し、首都圏全域の消費者をターゲットにする戦略だ。営業時間も変更した。既存の現地型モデルルームが午後6時までなのに対し、総合ギャラリーは夜8時まで営業する。「サラリーマンやOLの帰宅途中、デパートへ行ったついでなどに寄ってほしい」(岡田時之・住友不動産執行役員)と、モデルルームが閑散としがちな平日夜も賑わうこと期待している。

 販売方法を変更した背景には、マンション販売を巡る三つの環境変化がある。

 一つは開発するマンションの大規模化だ。都心の湾岸部では、総戸数が数百戸にも達する大規模マンションが増えてきたが、こうした大型物件では、近隣にチラシを撒くだけではとても集客できない。首都圏全域から購入希望者を集める必要がある。一時はハリウッドスターなどを起用したテレビCMを流すなどして集客を試みたが、高コストな上に放映期間が限られているというデメリットがあった。

 一つは販売期間の長期化だ。物件が大規模化すれば販売期間は長くなる。加えて、ここ数年は大手不動産会社が、ダンピングによる即日完売を狙わず、じっくりと販売する戦略に変えつつある。体力に余裕があり、資金回収を焦る必要がないからだ。特に住友不動産は値引きを一切行わず、竣工から2~3年かけてゆっくりと売り切る方針を明確に打ち出している。

 大規模化、販売期間の長期が進むなかでは、個別の物件ごとにモデルルームを長期間設置するより、総合ギャラリーで常設展示したり、一括対応したりすることでコストダウンが狙えるのだ。

 加えて、消費者のほとんどがインターネットを利用して不動産情報を得るようになったという変化も見逃せない。各社ともウェブサイトを充実させているが、「バーチャルな画像で何気なく探しているだけの消費者も多いので、来場しやすい場所に設置して、来て、見て、触って『体験』してもらうことで、マンション購入にリアリティを持ってもらえる」(岡田執行役員)という。

 従来、「不動産の主要顧客だった近隣住民を取りこぼすリスク」「現地を見ないことによる消費者の不安」といった現地にモデルルームを設置しないことのデメリットも挙げられるが、物件の大規模化や消費者の志向の変化は各社に共通している。住友不動産の試みが成功すれば他の大手不動産会社も追随すると見られている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木 豪)

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