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改訂!健康情報編集部

大人の発達障害、アスペルガーと高知能はコインの裏表

身近な大人の発達障害(前編)

東竜子 [ライター]
【第1回】

 アスペルガー症候群の特徴として挙げられるのは、社会性およびコミュニケーションの欠如です。相手の表情から感情や考えを読み取れず、また周りの空気を読めず、雰囲気にそぐわない発言などで困惑させたり、ストレートな意見で人を傷つけてしまったりします。また、言葉の裏にある悪意や冗談、比喩や曖昧な表現などを理解できません。そのため、コミュニケーションを取ることが難しく、良好な人間関係を築けません。

 多くの人は「他者は自分をどう見ているのか」を意識し、「他者を通して自分を知る」ことができます。他者目線に「鈍感」で、自分が他者にどう見えるかを気にせず、自己像がない。それがアスペルガー症候群の本質だと思います。

 このことは、ファンクショナルMRI(機能的磁気共鳴画像装置)を使った研究からもわかります。通常、自己を内省する質問をすると、自己認知に関係する大脳の内側にある帯状回(たいじょうかい)の血流が増加しますが、アスペルガー症候群の人はその部分の活動が全く見られないというデータもあります。

 同一性のこだわりや興味の偏りもアスペルガー症候群の特徴と言えます。

 複数の情報処理が不得意で、一つのことに集中します。記憶力は良いのですが、話しを聞きながらメモを取るなどの同時進行が困難です。日常の習慣の変化に対応できず、予定外のことが起きるとパニックに陥ります。たくさんの情報の中から必要な情報を取り出す「選択的注意」も苦手です。

 雑踏の中で友達と話していても相手の声が聞こえるのは、それ以外の騒音にフィルターをかけることができるからですが、この音が全て耳に入ってきてしまい、相手の声に集中できないのです。

いまだ判明していない発症原因

 ASDの原因は判明していないものの、遺伝的要因と環境的要因が考えられます。原因となる遺伝子はまだ特定されていませんが、単一の遺伝子異常だとは考えにくく、多因子遺伝と想定されています。

 母親が妊娠中に化学物質の影響を受けると胎児の脳が発達していく過程で何らかの障害が起こります。このような環境により遺伝子情報が変化する「エピジェネティクス」も関係あるようです。高齢の両親に生まれた子どものリスクも高いというデータがあります。母親の愛情不足という考え方は否定されています。

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東竜子 [ライター]

大学卒業後、業界紙記者を経て、現在、医療・介護などを中心に取材・執筆活動を行う。


改訂!健康情報編集部

注目の病気・症状について医療記者が専門家にその原因と解決策を取材。エビデンスに基づく正確な医療情報で、巷にあふれる“いい加減”なものとは一線を画し、常に最新情報に「改訂」していく。

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