ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週刊ダイヤモンドで読む 逆引き日本経済史

天皇機関説事件で動揺する岡田啓介内閣の運命
(1935年)

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
【第39回】 2011年11月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

大正2(1913)年の創刊から現代まで、その時代の政治経済事象をつぶさに追ってきた『週刊ダイヤモンド』。創刊約100年となるバックナンバーには、日本経済の埋もれた近現代史が描かれている。本コラムでは、約100年間の『週刊ダイヤモンド』をさかのぼりながら紐解き、日本経済史を逆引きしていく。

ねじれ国会の最中に行われた
大座談会「議会解散と政局」

 「ダイヤモンド」1936年1月1日号、この号でも政治家とジャーナリストによる大座談会を組んでいる。題して「議会解散と政局」。座談会が開催されたのは、1935年12月12日午後3時、会場は東京・銀座の交詢社だった。当時の政治家の肉声が聞こえて非常に面白い。

 1935(昭和10)年12月12日、座談会の出席者は以下のとおり。

・風見章(国民同盟代議士)
・頼母木桂吉(立憲民政党代議士)
・中島弥団次(立憲民政党代議士)
・前田米蔵(立憲政友会代議士)
・島田敏雄(立憲政友会代議士)
・松岡駒吉(日本労働総同盟会長)
・阿部真之助(東京日日新聞社主筆)
・佐々弘雄(東京朝日新聞社論説委員)

・石山賢吉(ダイヤモンド社社長)
・野崎龍七(「ダイヤモンド」主筆)

 この座談会当時の岡田啓介内閣(★注)は、1934年7月に斎藤実内閣の総辞職を受けて成立していた。5.15事件(1932年)で政友会内閣が総辞職したあと、政党内閣に反対する軍部の意向を受けて、軍出身の首相が続くことになった。軍出身首相のもと、「挙国一致」を旗印に軍部、政党、財界から閣僚を集めている。

★注・岡田啓介(1868-1952)福井藩生まれ、福井中学を経て海軍兵学校へ。海軍次官、連合艦隊司令長官を経て1927年に海軍大臣。1934年に首相へ指名され組閣した。

 政友会と民政党の対立は続き、岡田内閣は民政党が与党、政友会が野党の立場にある。高橋是清蔵相や床波竹次郎逓信大臣などは政友会幹部だっただが、入閣時に除名されている。つまり、岡田内閣は民政党主体の挙国一致内閣ではあるものの、野党的な政友会が衆議院の多数を占めるという不安定な状態だ。衆参でねじれている現在の民主党政権のようなものである。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月21日号 定価710円(税込)

特集 天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実

お受験・英才教育の真実

【特集2】
村田 vs TDK
真逆のスマホ戦略の成否

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


週刊ダイヤモンドで読む 逆引き日本経済史

大正時代から現代まで、その時代の経済事象をつぶさに追ってきた『週刊ダイヤモンド』。創刊約100年となるそのバックナンバーでは、日本経済の現代史が語られているといってもいい。本コラムでは、100年間の『週刊ダイヤモンド』を紐解きながら、歴史を逆引きしていく。

「週刊ダイヤモンドで読む 逆引き日本経済史」

⇒バックナンバー一覧