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日本人がグローバル資本主義で生き抜くための経済学入門
【第5回】 2011年11月14日
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藤沢数希

「金融」と「市場」こそ
既得権益と戦うための武器である

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資本主義か社会主義か、政府か市場か、などという議論は世界ではとっくの昔に終わっています。歴史の中でこれほどはっきりと決着がついた論争は他にありません。しかし、にもかかわらず、資本主義社会で成功した人ほど、社会主義的な主張をすることがあります。それはなぜなのでしょうか?

なぜ、鳩山元首相は社会主義者だったのか?

 僕は常日頃から、資本主義社会で大成功した人たちや、鳩山元首相のような莫大な財産を相続した資産家たちが、どうして時に社会主義者になるのか不思議に思っていました。

 ロシアのスターリンやカンボジアのポル・ポト、中国の毛沢東など、社会主義国家の指導者たちは、何百万人(諸説によれば何千万人)という自国民を処刑しましたし、その非効率な計画経済のために餓死してしまった国民を含めれば、被害者の数は1億人に達するといわれています。ちょうど日本の人口に匹敵する人々が「社会主義」に殺されてしまったのです。

 社会主義、計画経済は、その理念である「階級のない平等な社会」などといったものとは程遠い結果になることを、歴史は証明しました。

 中央の高級官僚が何を生産するかをすべて決めるので、必然的に市民の職業選択の自由がなくなります。選ばれた官僚の計画通りに市民を働かせるため、強制労働が実施されます。強制労働を実現するために、市民を監視する秘密警察や、いうことをきかない市民を閉じ込めるための収容所が必要になります。世界のどの社会主義国家にも、まるで普遍的な制度のように、秘密警察や収容所が作られたのです。

 ちょうど市場経済を重んじる資本主義社会において、職業選択の自由や独立した司法制度が普遍的に必要なように。

 実際に政府高官はいうことを聞かない市民を次々と処刑していきました。そして非効率な計画経済のために大量の餓死者が出たのです。計画経済とは、このように地獄のような社会システムだったのです。
  だからこそ、なおさらどうして一部の成功した資本家が、社会主義的なものに傾斜していくのか不思議でなりませんでした。

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藤沢数希 (ふじさわ かずき)

欧米の研究機関にて、理論物理学の分野で博士号を取得。科学者として多数の学術論文を発表した。その後、外資系投資銀行に転身し、マーケットの定量分析、トレーディングなどに従事。 おもな著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(ダイヤモンド社)、『反原発の不都合な真実』(新潮社)がある。
主催するブログ「金融日記」は月間100万ページビュー 。 http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/
ツイッターのフォロワーは7万人を超える。 @kazu_fujisawa

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