日本の道路インフラも基本的に過密状態もいいところだ。都市への人口集中が進み、道路はガラすきの地方道と渋滞する都市部の道路に二分化。物流を過度にトラックに依存しているため、高速道路も幹線はほとんどトラックに占拠されているという状態だ。この過密ぶりでは、いくらおとなしい日本人でも頭に血が上っている状態が標準になってしまうというものだ。

 東名高速をはじめ、高速道路の中でも大幹線の役割を担っている路線でさえ完全3車線化にはほど遠く、一般国道に至っては1桁番号の幹線でも片側1車線の追い越し禁止区間が延々と続く場所が山のようにあるというインフラ整備の有様では、この過密状況の根本的解決は非常に難しい。しばしばクルマ離れが叫ばれているが、並の神経を持っていれば離れるのが当たり前だ。

 だが、そんな中でもできることはある。

トヨタの開発陣は
欧州の交通慣習を学んだ

 その一つは、交通教育を根本から見直すことだろう。例えば、こんな話がある。

 欧州市場を主軸とするトヨタ自動車の世界戦略モデル「C-HR」の開発陣は、欧州の交通慣習をいま一度よく勉強したという。エンジニアの一人は言う。

「ドイツはセンターラインのない山道でも制限速度の100km/hで走り、相対速度200km/h近くで平然とすれ違うような国ですが、印象的だったことのひとつが、自動車学校では発進時に後続車の邪魔にならないよう速やかに車速を上げるよう習う、ということでした。交通全体の中で、自分がどう振る舞うべきかを習うんです」

 筆者は若い頃、イタリアの自動車学校に行った。そこで最初に強調されたのは、道路交通において重要なのは、他者の権利を尊重することだった。