くり返しますが、人類の進化の過程では「狩猟・採集期間:農耕期間=700:1」で、狩猟・採集期間のほうが圧倒的に長いのです。

 このように人体の生理・栄養・代謝システムにおいては、糖質制限食こそが本来の食事であり、穀物に60%も依存するような食事を摂るようになったのは、ごく短期間にすぎないのです。

 本来、人間は、穀物に依存するような遺伝的システムは持っていないということです。しかし、人口の増加を支えるため、やむをえず穀物が主食になっていったものと考えられるのです。

 糖質制限食の基本スタンスは、長い歴史のなかで人類が日常的に摂取していたものを食べるということです。

 糖質制限食でも、「適量の野菜、少量のナッツ類、少量の果物」程度の少なめの糖質量は、大昔からときどき摂取していたもので、人体の消化吸収・栄養代謝システムにおいても許容できる範囲だと思います。

 山イモはさすがに糖質含有量が多いので、正常人はともかく糖尿人はやめておくほうが無難です。正常人が、健康のためにスーパー糖質制限食を実践する場合は、糖尿人より多めの野菜、適量のナッツ類、適量の果物、適量の山イモなど球根、くらいまでの糖質量は許容範囲だと思います。

(次回の更新は11月24日です)


 ◆編集部からのお知らせ◆

『主食をやめると健康になる』江部康二著・ダイヤモンド社刊・11月11日発売!!
江部康二先生初めての「万人向け健康本」。肥満・メタボや糖尿病克服はもちろんのこと、ガンの予防・改善効果など、より幅広い疾患・生活習慣病についてもくわしく解説しています。「糖質制限食」の基本から最新理論、実践法までおさえていますので、ぜひご一読ください!

ご購入はこちら! [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb][楽天ブックス]