日系車メーカーにどう影響?米クアルコムに14兆円の買収提案クアルコム買収のため、先手を打って米国移転を表明したブロードコムのホック・タンCEO(左)。半導体業界一の"買収屋"として台頭してきた Photo:AP/アフロ

 価格高騰中の半導体業界再編でまたも新記録だ。大手半導体メーカー、ブロードコムがクアルコムに総額1300億ドル(約14兆8174億円)での買収を提案した。実現すればサムスン電子に次ぐ世界第3位の半導体メーカーとなる。

 仕掛け人は、半導体業界一の“買収屋”であるブロードコムのホック・タンCEOだ。

 2015年、タンCEOは中堅メーカーだったアバゴ・テクノロジーズCEO時代に格上のブロードコムを4.6兆円で買収、その後アバゴはブロードコムに社名を変更した。タンCEOはKKRやシルバーレイクなどのファンドとも関係が深く、巨額買収を頻繁に行ってきた。

 さらにタンCEOは11月3日、ドナルド・トランプ米大統領と面会し、現在シンガポールに登記している本社を米国に移すと表明。最近、他国企業による米ハイテク企業の買収を米当局が阻止する動きが相次いでおり、本社移転は明らかに米当局対応の先手だろう。

 そもそもブロードコムが巨額を投じてクアルコム買収に動くのは“通信分野の覇権”狙いだ。