鉄道旅行は大時代的で気分がよい。雄大な景色といい、車内の雰囲気といい、その土地ならではの豊かな味わいに満ちている。鉄道旅行のエキスパートが厳選した、体験しておくべき5つの旅を紹介する。

Molli [モリー] / ドイツ
街中を通っていくユニークな蒸気機関車

秋色の北ドイツを力走する「モリー鉄道」。走行中のデッキから顔を出すと石炭の燃える懐かしい匂いがした。ドイツには今も蒸気機関車が走る鉄道が少なくない

 

 ドイツは世界屈指のハイテク工業国だが、技術遺産として蒸気機関車の保存も熱心な国である。ドイツ北部を走る「モリー鉄道」もその一つ。観光目的のみならず、沿線住民の生活路線として年中無休で蒸気機関車が活躍している。

 始発駅のバード・ドーベラン駅で勢いよく煙を噴き上げるのは99形蒸気機関車。小柄ながらいかにもドイツの機関車らしい精悍な面構えだ。やがて発車時刻となり出発進行! 

 発車後、しばらくの間は普通の線路を走っていたが、バード・ドーベランの市内に入ると、何と石畳の道路を進むではないか。路面電車は日本にもあるが、路面蒸気機関車は珍しい。

 

バルト海に臨むキュールングスボルン・ヴェスト駅にて出発準備に余念のない99形蒸気機関車。99形は小型蒸気機関車の総称で、ボディは黒、車輪は赤という配色がドイツの蒸気機関車の特徴。
バード・ドーベラン市内の石畳の道を威風堂々と通過するモリーの蒸気機関車。メルセデスのタクシーも機関車には適わない。
モリー鉄道の車内。およそ70年前のスタイルだが蒸気機関車も客車も現役である。
DATA
【運行区間】バード・ドーベラン~キュールングスボルン・ヴェスト
【本数】夏季11往復 冬季5往復
【料金】片道10ユーロ 往復14.5ユーロ
【問合せ】ドイツ観光局 www.germany.travel