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世界最大級のITイベントで
システム管理者が主役を務めた理由

――セールスフォース・ドットコム 「Dreamforce '17」現地報告

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【第161回】 2017年11月14日
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基調講演で紹介された大手3社の導入事例。左から、T-Mobile、アディダス、21世紀フォックス

顧客企業の事例は
ビジネスの成果を強調

 基調講演では、今年のイベントの技術テーマに合わせて3社の事例が紹介された。まず携帯通信会社のTモバイル(T-Mobile)が、営業部員の成績管理や販売手法の教育システムにセールスフォースのモバイルアプリ開発環境を用いていることを発表した。続いてアディダスが、自社のシューズのECサイトを離脱した顧客も追跡して広告を配信するDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)や、顧客がスマホでアディダスの「チャットボット」アカウントとやりとりしながら商品を購入できる仕組みをデモした。

 3社目の21世紀フォックスは、自社配給映画「デッドプール2」の全世界への配給先とプロモーションプランを計画するマーケティングシステムを紹介。宣伝予算の配分など内部データと連動して集客の最大化を図れる「GTS」(グローバル・シアター・システム)というシステムを披露。GTSは、一見するとセールスフォースとは思えないほど独自性の高いデザインが施されており、新機能であるカスタマイズ性の高さが発揮されていた。

 また、2日目の講演では、米国第5位の銀行であるUS Bankの事例を紹介。セールスフォースのAIをマーケティングに使うことで、見込み客の顧客転換率(コンバージョンレート)が3倍になるといった具体的な成果を発表した。

 US Bankのビル・ホフマンチーフ・アナリティクス・オフィサーは講演で、「1年前のドリームフォースを見て、『我々も成功事例として来年のここに立ちたい』という目標を掲げてやってきた。そして今日、このステージに立つことができた」と誇らしげに語った。同社のマーケティング部門は、セールスフォースの活用と、自社のビジネス成果がぴたりと軸がそろっていることを強調した。

 加えて、会場では日本の内閣府が「マイナンバー」の個人向けWebサイトである「マイナポータル」の中のサービス開発にセールスフォースを用いていることをプレゼンして、日本の行政の取り組みに集まった各国の参加者が関心を示していた。複数の役所をまたぐ行政サービスを一発で検索できる「ぴったりサービス」を6ヵ月で開発した事例を発表し、企業だけでなく行政でのクラウド利用も進んでいることに注目が集まった。

 こうした顧客事例の紹介は、例年のドリームフォースでも数多く行われてきたので、それ自体は珍しくはない。だが今年は、各社の事例が事業により深く、顧客接点から企業の業務データを連携させる仕組みまで、いままで以上に強化されていた。同時に、登壇する顧客企業の担当者の説明も、新しいサービスが提供できることを話すのでなく、それによるビジネスの成果を説明する内容が増えていた。

 「CRM単体での導入は今ではほとんどなく、他の機能とまとめて使っていただくケースがほとんど」(セールスフォース関係者)という話も聞かれ、企業にとってセールスフォースは営業のものから企業全体で使う基盤として認識が拡大していることがわかった。

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