小池百合子都知事が、希望の党代表を辞任した。「都政に専念することで挽回を図る」との見立てが報じられているが、背景はそう単純ではない。小池氏のブランディングの「一丁目一番地」とも言える受動喫煙防止を戦場に、自民党の山東昭子議員という“強敵”が現れたからだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)

「代表は辞めない」発言から
22日でアッサリ辞任した小池氏

 小池百合子氏が「希望の党」の代表を辞任した。

「希望の党代表は退かない」と明言してから、わずか22日で辞めた小池氏。そこには、のっぴきならない”大人の事情”があったと見る方が自然だ。 写真:日刊現代/アフロ

 マスコミの報道によると、11月12日に行われた葛飾区議選で、都民ファーストの候補者5人のうち4人が落選したことや、各社の世論調査で「都政に専念すべき」という声が圧倒的に多いことを受けて、慌てて「都政に専念します」という姿勢を打ち出したというのだ。実際、「朝日新聞」では、以下のような「側近」の言葉が報じられている。

《小池氏自身も追い詰められる中、「挽回(ばんかい)するには党代表を辞め、有権者が望むように都政に専念するしかない」と側近は明かす。希望の執行部が決まったタイミングを見計らい、代表辞任を表明した。》(朝日新聞デジタル11月15日)

 一流報道機関の綿密な取材によって浮かび上がった見立てなのだから、恐らくこういうことなのだろうが、個人的にはかなり釈然としない。

 衆院選でボロ負けした10月23日、出張先のパリで、記者からやんわりと「辞任」の水を向けられた小池氏はこのように述べている。

「これから国政の組織を党として固めていく中で、そのまま代表を退くのはかえって無責任だ」

 いくら日本人が熱しやすく冷めやすく忘れっぽいとはいえ、あれからまだ22日しか経っていない。「私は代表の座を降り、皆様方をサポートしたい」なんて言われても、「挽回」どころか、「もう何を言っても信じられないな」と、さらなるイメージダウンを招くというのは、中学生でもわかる。

 ましてや、小池百合子という政治家は、有権者の潜在的な不満を忖度して、分かりやすい「敵」を設定することで、自身のブランディングに活用してきた政治家である。「希望の党」では派手にヘタを打ったが、ここまで雑な「二枚舌」を使ったらどうなるかという判断力は失っていないはずだ。