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認知症と性格の関係、責任感が強い人はなりにくい!?

井手ゆきえ [医学ライター]
【第367回】

 認知症になりにくい性格はあるのだろうか──。実はすでに性格特性のうち、「誠実さ」が予防的に働く、という研究結果が複数報告されている。

 さらに先日、米フロリダ州立大学の研究グループから「誠実さ」を構成する細かい要素のうち、何が最も認知症予防と関連するのかという報告があった。

 研究者らは、米国に在住する50歳以上の男女を対象とした調査「ヘルス・アンド・リタイアメント研究」から分析対象を選定。

 最長6年間の追跡期間中、少なくとも1回は認知機能検査を受けた1万1181例について性格特性と認知症発症との関連を調べた。期間中に278人が認知症を、2186人が正常と認知症との中間状態ともいえる、認知機能低下(CIND)を発症している。

 分析の結果、性格特性のうち認知症リスクと最も強く関連したのは「責任感」で、責任感が強い人は認知症発症リスクがおよそ35%低下した。このほか「自制心(セルフコントロール)」と「勤勉さ」も認知症の予防に働くことが示されている。この三つの資質は、認知症の遺伝的リスクや他の疾患の影響からも独立して、予防的に働くらしい。

 研究者は「責任感があり、自分の行動をコントロールできる人、ハードワークの人は認知症を発症する可能性が低い」としている。

 この試験の性格評価法は心理学でよく利用される「ビッグファイブ」を指す。すなわち(1)開放性(知的好奇心の強さ)、(2)誠実性(高い目的意識を持ち、まめに行動する)、(3)外向性(活動的で社交的)、(4)調和性(利他的で協調性がある)、(5)神経症傾向(緊張しやすく衝動的で不安定)という5要素で性格を評価するもの。

 誠実さが認知症予防的に働くのに対し、神経症傾向が強い人は、逆に認知症やうつ病の発症リスクが高いことが知られている。

 ただ、欧米で開発された性格テストらしく、ビッグファイブでいう誠実さは「個人の責任と倫理において、目的を追求する資質」という面が強い。むやみに上に従う『誠実さ』ではないので、忖度が過ぎる人が該当するかは不明だ。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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