就活を行なう学生にとって、「第二次就職氷河期」とも呼ばれる厳しい状況が続いている。10月1日現在の就職内定率は59.9%と、昨年同期比で2.3%回復している。しかし、リーマンショックの直後となる2008年度の69.9%(同月)と比べても、内定率の低下に歯止めがかからない惨状がわかる。そんな状況が続く11月23日、就職活動や採用のあり方に意義を唱える若者たちが、東京・新宿で「就活ぶっこわせデモ」を開催した。デモで噴出した学生たちの「怒りのマグマ」は、想像以上だ。有名国立大学の学生でも就職が決まらず、卒業後にアルバイトをしながら求人を探すご時世、就職難は自己責任なのか、それとも社会構造に問題があるのか。デモの模様を実況中継しながら、問い直してみたい。(取材・撮影・文/プレスラボ・宮崎智之)

大学生の内定率59.9%の悲惨――。
若者たちの「怒りのマグマ」がついに爆発

11月23日の勤労感謝の日に、東京・新宿で開催された「就活ぶっこわせデモ」の模様

 学生には相変わらず厳しい時代だ。文部科学省が発表した2011年10月1日現在の就職内定率は、59.9%。昨年同期比で2.3%回復したものの、日本経済がリーマンショックに見舞われた直後となる2008年度の69.9%(同月)と比べても、相変わらずの低水準である。

 今後、東日本大震災の復興需要によって内定率は回復する可能性があることも見込まれているが、10人に4人は就職先が決まっていないという切迫した状況は、容易に好転しそうにない。まさに「第二次就職氷河期」が続いているのだ。

 そんなご時世、世の学生たちから聞こえるのは、悲鳴にも似た切実な声だ。「卒業する年によって、有利・不利がある程度決まってしまうのに、世間に内定が取れないことを『自己責任』という言葉で片付けてしまう風潮があるのははおかしい」という不満が噴出している。

 そして、事態は「就職活動のあり方」に異議を唱えるデモが行なわれるまでに至っている。11月23日の勤労感謝の日に、東京・新宿で行なわれた「就活ぶっこわせデモ」は、その象徴的なケースである。