シリコンバレーで嫌われる日本企業の「後出しジャンケン」体質シリコンバレーでは「後出しジャンケン」は許されない。2004年の上場直後、「後出し」の付けとして和解金を支払うことになったグーグル。写真は当時、決算説明をしたグーグルのセルゲイ・ブリン氏 Photo:アフロ

 日本企業の間で再びシリコンバレーブームが起きており、企業のトップや経営幹部の訪問が急増している。

 しかし、「まだ明確な戦略や事業案がないので、まずはいろいろ教えてほしい」というのがその多くの本音のようだ。そのため、現地企業への「表敬訪問」が相次いでいる。

 だが最近、このような状況に物申す現地の日本人が現れている。スタンフォード大学のある研究員は、シリコンバレーに来る日本企業の問題点を記事で痛烈に指摘し、日本人駐在員の間で話題になった。

 例えば、日本企業の良くない慣例として、「とりあえず事務所を開設して、駐在員を送り込む」や「ふわっとした情報集めをミッションとする」「本社の役員は何の戦略的な意図もないまま表敬訪問する」などを挙げた。

 私のところにもコンタクトしてくる企業は多い。ただ、判で押したように「シリコンバレーで今最もホットな事業は何ですか」と聞くので答えに窮してしまう。

 なぜなら、生き馬の目を抜くシリコンバレーで、その最もホットな事業を見つけるためにわれわれは命を懸けて勝負しているからだ。それをまだ何をするかも分からない企業にご紹介することなど、まずあり得ない。