今年5月、1ヵ月の休暇をとったという、さくらインターネット株式会社の田中邦裕社長。そこで得たものをきっかけに浮かび上がってきたのは「情報共有」というキーワードだった。前回に引き続き、株式会社ワーク・ライフバランス・小室淑恵社長との「働き方改革」をめぐる対話は、さらに熱を帯びる(まとめ/アスラン編集スタジオ 渡辺稔大、撮影/内藤洋司)
社長自ら1ヵ月間の
休暇をとって気づいたこと
小室 起業してから初めての長期休暇を取られたそうですね?
田中 はい、SNSで毎日旅行中の写真がアップされ続けるのを見た友人から「会社辞めたの?」と連絡が来るほど、珍しがられました(笑)。実は社内での雑談がきっかけで、最初は冗談半分で「とりあえずスケジューラーに1ヵ月の休み予定を入力してみよう」ということになり、早めに確保しておけばそこを避けて予定を入れることができたので、計画が実現して本当に1ヵ月休みました。
その間、取締役会だけは出ないといけないので、小笠原諸島の父島からリモートでつないで参加、もう1つ社外取締役をしている上場企業にはタヒチからテレカン(テレビや長距離電話を使って遠隔地から行う会議)で参加しました(笑)。
小室 お休みの間のスケジュールは?
田中 父島が17泊18日。いったん帰ってきて、9日ほどタヒチで過ごしました。夫婦でダイビングをするので、なかなか行けないようなところに行こう、と。1ヵ所だと飽きそうなので、行き先を2ヵ所にして、あとは行き当たりばったりで……。夫婦でゆっくり過ごすことができて、休もうと思えば休めるんだと実感しました。
小室 1ヵ月休んで何も問題が起きなかったですか?