法科学鑑定研究所のDNA型父子鑑定書。夫と妻のDNAが子に遺伝しているか、18項目で判断される拡大する

 親子鑑定を依頼するのは2パターン。一つは、体外受精を行った夫婦が、精子や卵子の取り違えを疑い、本当に自分たちの子どもなのか確認するパターン。そしてもう一つは、妻の浮気を疑う夫、もしくは浮気をした妻自身が「誰の子どもなのか」を確認するパターンだ。

 冒頭で紹介した女性の場合は後者。今、育てている3人の子どもが、夫との子どもかどうかを確認するため鑑定を依頼したのだ。結果は、長男は夫の子どもだったものの、長女と次男が夫の子どもである確率は0%だったという。

 「そもそも疑って研究所に来ているため高くなってしまう傾向はあるが、依頼の半分程度で親子ではないという結果が出ている」と法科学鑑定研究所の山崎昭代表は明かす。

最初に疑うのは子の親ではなく
祖父母の場合が多い

 親子でないと鑑定される中で「多いのは、いわゆる“できちゃった結婚”」(山崎代表)。複数の男性と付き合う過程で子どもができ、結婚したものの誰の子どもなのか分からないというケースだ。

 そして、意外にも「親子関係を最初に疑うのは、夫や妻よりも祖父母であることが多い。孫が、自分の子どもの小さなときと似てないなあと感じる」(同)というのだ。

「真実を知らない方が幸せなのではないか」との声もあるが、山崎代表は「もんもんと悩んでいるようなら、白黒はっきりさせて現実を直視した方が良い。悩み続けていれば、子どもも大きくなるし、精神的な負担は計り知れない。鑑定した結果、自分の子どもであることが確認されれば安心もできる」とアドバイスする。

 夫婦間最大のトラブルといっても過言ではないが、真実を知った少なからずの夫が、「ここまで育ててきたのだから、成人するまでは自分の子どもとして育てる」と語っているというのが、せめてもの救いである。