仕事で「苦難」に直面した時、何を考え、どう行動したかがポイント。修羅場体験を通じて得られたことが自身の成長を強力に後押しする(写真はイメージです)

比較的小さな修羅場で
自らをストレッチさせる

 前2回にわたって、最先端のトレンドに追いつき、さらに自らリードするための方法について考えてきました。キーワードは「超速学習」「発信」、そして「応用力」です。今回と次回は、引き続き、特に「応用力」をいかに発展させていくかについて見ていきたいと思います。

 キーワードは「修羅場体験」です。「修羅場」と聞くと、多くの人は何としても避けるべきものと捉えるかもしれません。確かに、髪振り乱して無我夢中で奮闘努力するような状態は誰しも嬉しいものではないでしょう。そんな事態に陥らないように、危機管理をすべきだ、と考えるかもしれません。

 文字通り、本物の修羅場というものは、人生が終わってしまうかもしれないような大変な状況のことを指すのでしょう。修羅場とは元々、インド神話で阿修羅と帝釈天の終わりなき激戦が行われる場所を表したもので、激烈な戦いが行われた場所や凄惨な事故現場、転じて男女の痴情のもつれを指すこともあります。さらに拡大解釈し、そこから連想されるギリギリの切羽詰まった状況を意味します。

 しかし、私が指摘したい「修羅場体験」は、そうした「痴情のもつれ」や「延々と続く不毛な激戦」「凄惨な事故」といった事態を意味するわけではありません。そういった修羅場は狙って遭遇できるものではありませんし、遭遇しないに越したことはありません。私が「修羅場」と言った時、その意味は仕事の上で真剣に取り組まなければならないギリギリの切羽詰まった状況を指しています。

 すなわち、ギリギリの切羽詰まった状況を通じて自らをストレッチさせる、といった意味です。そのために、あえて飛び込むことができる程度の、限定的な修羅場です。