トヨタの豊田章男社長は役員人事を含めた体制変更に「大変革の時代にトヨタグループとして立ち向かっていくという意志を込めた」と語るが、グループ力の結集は果たせるか Photo:REUTERS/アフロ

「豊田章男社長の強さと弱さが垣間見える人事だ」。トヨタ自動車が11月28日に発表した役員人事について、関係者はそんな見方を示す。

 役員人事は来年1月1日付で、従来より3カ月前倒しし、副社長を4人から6人に増やして現場を直接指揮する体制に改めるなど、あらゆる点で異例ずくめといえる。中でもトヨタ内外を驚かせたのが外部人材の大胆な登用だ。

 まずはトヨタの常務役員に就く三井住友銀行常務執行役員の福留朗裕氏(54)。「販売金融事業を強化したい」。そんなトヨタの強い意向を受け、三井住友銀行から送り込まれる人物だ。

 福留氏は、証券会社など金融法人への営業を担当。その専門性を生かし、トヨタの販売金融事業を統括する。旧三井銀行入行組で、名古屋営業本部でトヨタ担当を務めるなど、関係の深さが人選の決め手となった。

 さらにグループ会社である豊田通商からは、執行役員として初めて今井斗志光氏(52)がトヨタの常務役員に抜てきされた。アフリカ駐在歴の長い今井氏に巨大新興市場の開拓を委ね、販売拡大をもくろむ。

 こうした人事から読み取れるのは、現場に精通したスペシャリストを社内外問わず抜てきし、意思決定のスピードアップを図ろうという試みだ。