豊田章男社長の“危機感”が今回の役員人事に反映されていると言われている。写真は2017年3月期決算発表時 Photo:TOYOTA

トヨタ自動車が11月28日に発表した2018年1月1日付けの役員級人事は、自動車業界だけでなく、世間でも「異例」人事として注目を集めた。というのも、この人事をじっくり見れば、トヨタだけでなく、自動車業界が直面している現状への危機感や苦悩が透けて見えてくるからだ。(ジャーナリスト 石橋留市)

「等身大のトヨタ」を映し出す
役員人事

 自動車業界の写し絵――。

 トヨタ自動車が発表した2018年1月1日付けの役員級人事に透けて見えるのは、トヨタ、そして自動車業界が抱える“苦悩”に他ならない。

 お友達人事、自前脱却、出戻り、女性登用――などといった言葉でメディアは誇張するが、裏を返せば、自動車業界を取り巻く急激な環境変化に対応しかねている“等身大のトヨタ”を映し出していると言える。

 そんなこともあって、筆者は「トヨタがどこか面白いことになってきた」とも感じている。

 現在、自動車メーカーは自動車産業史はじまって以来の大転換期を迎えている。その変化はトヨタでさえも「かつてないスピードと大きさで進行しており、一刻の猶予も許されない」と認めるほどだ。

 今回の役員体制の変更と人事異動は「生きるか死ぬかの瀬戸際の戦い」(豊田章男社長)に挑むための布陣。トヨタグループの内外から専門性を持つ人材を役員として登用したのが特徴だ。