これは、大量破壊兵器の積載が疑われる船を検査できるように、石炭や衣類など制裁対象物品の不法貿易行為を取り締まるということである。ただ、中ロの反発を抑えて、実現できるかどうかは未知数だ。

 米国が9月に国連安保理に示した制裁原案では、公海上で北朝鮮側の同意なく臨検できる権限を各国に与える方針を明記していたが、修正案では「旗国(北朝鮮)の同意を得ること」と盛り込まれ、骨抜きにされた経緯がある。

 仮にこれを国連決議に盛り込むことが難しい場合、米国は「外交的圧力」を通じ、各国に参加を要請する可能性が高いと韓国の外交筋は見ており、朝鮮戦争の国連軍に参加した米英など十数ヵ国を中心とした枠組み作りに動いているようである。

政府は相変わらず
北の脅威を過小評価

 韓国では、こうした動きが軍事衝突に発展しかねないとの懸念が高まっている。しかし政府は、相変わらず北朝鮮の脅威を過小評価することに躍起となっており、メディアは「本末転倒である」との批判を繰り広げている。

 韓国の保守的な主要メディアは、文在寅大統領の融和政策にはもともと批判的であったが、今回の批判は、政府としての見識を問うもののように思う。そして核問題解決の鍵は中国にあるとして、韓米首脳会談での働きかけを強く促している。韓国の大手紙の報道を一部紹介する。

◆中央日報

(1)社説「北への海上遮断は事実上の軍事オプション『キューバ式封鎖論』も」

「懸念されるのは北朝鮮船舶を捜索したり、阻止したりする過程で偶発的な衝突が生じる可能性があるという点だ。このような衝突が報復と報復の連鎖につながれば全面戦争もありうる。これを知っていながらトランプ政府が海上封鎖カードを切ったのは、それだけ状況が深刻だということだ。韓国政府は事態の危険度を認めていないような雰囲気だ。平昌(ピョンチャン)オリンピックの成功にこだわって、韓国の生死がかかっている安保問題を副次的に捉えているのではないか心配になるほどだ」