12月1日に発表された、毎年恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」(以下、「流行語大賞」)。年間大賞こそ「なでしこジャパン」だったものの、トップテンのうち、震災・原発関連の言葉が5語選ばれる結果となった(「帰宅難民」「絆」「こだまでしょうか」「3・11」「風評被害」)。
この時期、「流行語大賞」にちなんで、他の企業でも、対象を絞った「流行語」が選ばれている。ネット、ギャル、10代で、それぞれ流行した言葉を見てみよう。
ネットでは「こだま」より
「ポポポポ~ン」の理由
まず、産経新聞編集企画部が運営する「ネット流行語大賞」。「ネット流行語大賞実行委員会」に参加するポータルサイトや、動画・ニュースサイトなど10サイトを対象にアンケートが行われ、合計15万3516人が投票した。アンケート実施日は11月18日~24日。
金賞に選ばれたのは「ポポポポ~ン」。震災後、企業が広告を自粛した中で繰り返し放送されたACジャパンの「あいさつの魔法」の歌詞だ。「流行語大賞」では同じACジャパンの公共広告でも「こだまでしょうか」が選ばれているが、ネットでは「ポポポポ~ン」の勝利。「ポポポポ~ン」は、そのリズミカルなメロディや、笑顔で踊るキャラクターたちをアレンジした動画が動画共有サイトに多数投稿され、「中毒性がある」と話題になっていた。
このほか震災関連からは7位に「♯edano_nero(枝野、寝ろ)」もランクイン。これはツイッターのハッシュタグ(同じテーマについて投稿する際に使う機能)で、震災後に連日テレビに映り続けた枝野幸男官房長官(当時)を心配するユーザーらが使ったもの。枝野氏がいったん帰宅し就寝したと思われる頃には「♯edano_neta(枝野、寝た)」も使われた。
「ドロン」がリバイバル?
ギャルが使う「てへぺろ」「おかわ」とは
ギャル向けのリサーチを行う「GRP」(運営:ツインプラネット)が行った、ギャル語の流行語大賞も面白い。こちらは約2万人のギャルにアンケートしたもので、大賞を受賞したのは、「○○ぽよ」。ちなみに、昨年の大賞は「アゲぽよ・サゲぽよ」だ。「テンションがアガる/サガる」の「アゲ」「サゲ」に、「かわいい語尾」である「ぽよ」がついたもので、今年はさらに「ぽよ」が応用して広く使われるようになったという。使用例は「萎えぽよ」「らぶぽよ」など。確かにティーン誌の表紙などで、たまに使われているのを見かける。
このほか、「てへぺろ」(失敗したときなどに、「てへ」と笑って「ぺろ」と舌を出す仕草を表すもの)、「おかわ」「きゃわたん」(どちらもかわいいの意味)など。ブログの文末などに使用されることが多いという「ドロン」は、おじさん世代からするとリバイバルの感があるだろう。
セーラー万年筆が行った、「10代が選ぶ流行語大賞」(10代の男女500人にインターネットで実施。実施期間は11月18日~20日)の1位は「マルモリ/マル・マル・モリ・モリ!」。「ぽぽぽぽ~ん」、「なでしこジャパン」、「あげぽよ」が続いた。
具体的なニュースから連想される言葉だけでなく、語感そのものを楽しむ「○○ぽよ」や「てへぺろ」が流行語に選ばれるのは、今年の面白い傾向だろう。
ギャルやネットの流行語、あなたはいくつ知っていましたか?
(プレスラボ 小川たまか)