指示待ち状態をつくり出す
具体的要因とは?

「実際、自発性を重んじる社風や上司とそりが合わず、『もう、どうしてよいかわからない。自分はダメな人間なんじゃないか…』と思い詰めてしまい、カウンセリングに来るケースも珍しくないですね」(山田氏)

 では、なぜこれらの人は指示待ちの状態に陥ってしまうのだろうか。その理由について山田氏はこう説明する。

「たとえば育ってきた環境。心理学では、上司には親を投影しやすいともいわれています。そこには心のパターンが映し出されるようです。小さい頃から何でも親の言うことを優先してきた優しい人は、どうしても自発性が失われがちになると思います。親から愛されていなかったと感じている人は、『自分は上司にも愛されるはずはないし、どうせ意見を言っても否定される』と思い込む傾向にあるかもしれませんね」

 もうひとつの要因として挙げられるのは、上司の強すぎる主張や執拗な否定だ。

「『違うだろ!そうじゃない、こうだ!』と、ことあるごとに否定や強く主張され続けると、たとえそれが適切な指示だとしても、指示待ちになってしまう可能性があります。そういった上司に対して、最初は怒りや反発が湧き上がっていきますが、次第に『どうせ、何をやっても無駄なんだ』と無気力になっていき、結果、指示されたこと以外は何もしなくなるのでしょう。さらに仕事でミスを連発すると、自信を失ってどんどん内向きの性格になっていき、『仕事ができない上に気も利かない』人間という不本意なレッテルを貼られてしまうのです」