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「働き方改革」に歩調を合わせる形で、厚生労働省は企業へのキャリアコンサルティングの導入を進めています。本連載では、働く人がイキイキと仕事をすることを支えるキャリアコンサルティングの望ましいあり方と、実際のコンサルティング事例を解説していきます。(構成/ダイヤモンド社人材開発編集部 間杉俊彦)

今、社員たちは誰に相談すればいいのか?

「キャリアコンサルティング」という言葉から、どのような機能を連想されるでしょうか。

 従来の定義では、学生に就職指導をすることをキャリアコンサルティング、指導する人をキャリアコンサルタントと理解されているかもしれませんが、本稿でいうキャリアコンサルタントは、少し違います。

 詳しい機能については後で説明しますが、法律化され、厚生労働省がいま養成を急いでいるキャリアコンサルタントの背景は大きく変化してきました。

 働く人自身が職業生活の設計とそのための能力開発を求められ、企業もその支援のためのキャリアコンサルティングを提供できるように体制を整えることが求められています。キャリア形成における“気づき”を支援することが大切な役割となってきたのです。

 バブル崩壊後の低成長時代を通して、働く職場の環境は、大きく変わりました。ICTが普及し、情報環境が一変したこともあり、多くの職場での仕事が断片化し、働く人の周囲との協業が減りました。

 その結果として、職場での人と人とのコミュニケーションも希薄になり、たとえば困った時に気安く相談できる相手も、機会も減ったように感じられます。

 私は長く伊藤忠商事に勤務しましたが、会社の理解もあり、2001年に社内にキャリアカウンセリング室を創設し、初代室長となりました。そして、2015年に退職した後も、ライフワークとして「企業内キャリアコンサルティング」の普及に努めています。

 本連載では、まだあまり知られていない企業内キャリアコンサルティングについて、「企業内キャリアコンサルティングとはなにか」、「どのような役割を持ちうるのか」、また、「実際にどのようなコンサルティング事例があるのか」など、基本的なことを解説していきます。