そのとき、Aさんの手元には現金が1100万円ほど、そして投資に回していた2000万円がありましたが、生活は相変わらず赤字ですし、今年から5年間、子ども3人が大学に進学する予定です。現金で残っている1100万円のうち、1人300万円を大学費用として確保しようと考えると、Aさんの生活費として残るのは200万円だけ。明らかに資金が足りません。

 Aさんはそうした事態に気がつき焦りました。本来であれば、収入が激減する現状をしっかり受け止め、パートでも何でもして収入を得なければなりません。しかし、保険金を頼りにして生活してきたため働いたことがなく、働くことに対して不安を感じているそうです。

 一方、運用に回していた資金は、個別株をメインにして運用していたためにあまりうまくいっておらず、評価額は1500万円程度まで減少してしまいました。

生活費の圧縮を図り
奨学金の活用も検討すべき

 Aさんは現在、50歳。もしかすると、今後、50年の人生が待っているかもしれません。そう考えると、明らかに生活費不足に陥ります。働ける体力があるうちに家計の収支を改善しておかないと、今後の生活は非常に暗いものになるでしょう。

 Aさんが今できることは、生活費に圧縮に加え、子どもの学費をどう支払っていくか、子どもと相談することです。今は2人に1人以上が奨学金を利用している時代。子どもにとっては借金になるので、積極的に利用しなさいとは言えませんが、子どもの将来に響かない範囲で利用してもよいのではないでしょうか。

 こうしたAさんのような例は、実は結構多くいらっしゃいます。一家の大黒柱を失った時、保険金は非常にありがたいものです。しかし、一度に多額のお金が手元に入るため、生活設計や将来のことなどを考えず、無計画に使ってしまう人が意外に多いのです。

 万が一のことが起きて保険金が手に入った場合、いったん冷静になって、暮らし方や将来的な見通しを考え、それに基づいてお金の使い方についても検討しましょう。

 家族のために懸命に働いて、多額の保険料を毎月払ってきたのに、こういった結末を迎えてしまうのはあまりに残念な話です。死んでも死に切れません。みんなが元気な生活を送れているうちに、保険金の使い方についても話し合っていた方がよさそうです。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)