「金塊密輸天国」日本でヤクザや外国人がボロ儲け!米兵による強奪疑惑も米兵が「(空爆後の)シリアから強奪した」と言う金塊

コインに裏表があるように、経済にも公式な経済と、金額さえ容易には把握できない「地下経済」がある。しかもこの地下経済は世界的に膨張の一途をたどっており、英国やアイルランド、イタリアはその一部をGDPに算入しているほどだ。そこで、DOL特集「地下経済の深淵」では、さまざまな現場を取材し、地下経済の今に迫る。第1回は金塊の密輸だ。(ダイヤモンド・オンライン編集部「地下経済問題取材班」)

「金塊が手に入った」と突然の連絡
780万円で買い取り1400万円で売却

「金塊が手に入った。買い取ってもらえないか」

 今年6月、関東地方で貿易業を営んでいる男性の元に、1本の連絡が入った。

 この貿易商の男性は、一時期、暴力団とつながりがあり、表の世界だけでなく、裏の世界にもさまざまな人脈を持つ人物。そんな貿易商に相談を持ち掛けたのは、米国人女性のナターシャ・デビット(仮名)。過去に面識があり、Facebookを使って突然、連絡してきたという。

 面識があるとはいえ、それはかなり以前の話。しかも、いきなり、「金塊を買い取ってくれ」という怪しげな話を持ち掛けられ、貿易商は疑った。同様の話を持ち掛けられた人たちが、カネを振り込んだにもかかわらず、送られてきたのは金塊ではなくガラクタばかり、といった詐欺に遭う被害が相次いでいただけに、なおさらだった。