ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
言論NPO工藤泰志「議論の力」

健全な「輿論」を誰が担うのか
言論NPO『次の10年』の覚悟

工藤泰志 [言論NPO代表]
【第8回】 2011年12月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

「議論の力」で
閉塞感を変えたかった

 私が代表を務める言論NPO(認定NPO法人)は、先月末で設立10年を迎えた。

 それを記念して今月5日、多くの仲間が「祝う会」を開催してくれた。

 ただ、これは単なるパーティではなく、この国の民主主義と言論の役割を考え直す、そういう日にしたい、ということで、「日本の言論と日本の未来」と題した討議が行われ、そして、私も一言、話をさせていただいた。

 いさかか無責任に聞こえるかもしれないが、非営利で言論の役割を担うというある意味で無謀な試みを10年続けられることに、私自身、初めから自信があったわけではない。

 仲間からは、これまでの10年はむしろ準備期間、これからが本当のスタートという、力強い激励もいただいたが、本当のところは、目の前に現れ続ける問題に全力で向かっていったら、あっという間に10年が経ってしまった、というのが実情である。設立された頃は、国内では小泉政権が誕生し、そして、アメリカを襲った未曽有のテロ、「9.11」直後で、まだ世界も国内も騒然としていた時だった。

 言論NPOを知らない人には少し説明が必要になるが、10年前、私たちは強い民主主義のインフラには、当事者意識を持った「議論の力」が必要と考えた。当時から、この国の政治は課題を先送りし、未来が全く見えない状況であった。この閉塞感を「議論の力」で変えたかった。

 極めて簡単に言えば、そのための議論の舞台が言論NPO、ということになる。そして国内を代表する数多くの有識者がボランティアでこの試みに力を貸してくれた。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

工藤泰志 [言論NPO代表]

1958年生まれ。横浜市立大学大学院経済学修士課程卒業。東洋経済新報社で、『金融ビジネス』編集長、『論争東洋経済』編集長を歴任。2001年10月、特定非営利活動法人言論NPOを立ち上げ、代表に就任。その後、選挙時のマニフェスト評価や政権の実績評価、東アジアでの民間対話など、様々な形で議論を行っている。また、2012年3月には、米国の外交問題評議会(CFR)が設立した世界23カ国のシンクタンク会議「カウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)」の日本代表に選出。

 


言論NPO工藤泰志「議論の力」

言論NPOは、今年で設立から12年。日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい言論の舞台をつくろうと活動を始めた。同代表の工藤泰志が、数多くの有識者たちとの議論を通じて感じ取った日本の課題に切り込み、議論の力で強い民主主義実現をめざす。

「言論NPO工藤泰志「議論の力」」

⇒バックナンバー一覧