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言論NPO工藤泰志「議論の力」

過去9回の調査の中で日中の印象は最悪に
なぜ中国国民は日本を「覇権主義」と判断したか

工藤泰志 [言論NPO代表]
【第11回】 2013年8月20日
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無視できない重大な変化を
物語る今回の世論調査

 先日、私は日中共同の世論調査結果を公表した。2005年から言論NPOが、中国のメディアと共同で毎年行っているもので、今年の6月から7月にかけて日本全国と中国の5大都市で実施された。有効回答は日本で1000、中国では1540である。

 この結果は、多くの日本のメディアで報道されたため、記憶にある方も多いだろう。日本人で中国によくない印象を持っているのは90.1%、中国人で日本によくない印象を持っているのは、昨年よりも30ポイントも悪化し92.8%となった。これは、私たちが行った過去9回の調査で最悪な結果である(グラフ1)。 

 だが、私が驚いたのは、こうした相手国への印象や、現在の日中関係に対する評価の全面的な悪化だけではない。現状の日中関係を考えるうえで無視できない重大な変化が、調査結果に見られたからである。

 私が記者会見で、「この状況を放置することは危険だ」と、少し仰々しく発言したのはそのためである。そして、こうも付け加えた。「この状況を改善できるかは、両国政府や国民が、こうした感情悪化の意味をどれだけ認識できるか、そして、現在実現の目途さえ立っていない政府の首脳会談や、様々な民間の対話が動き出せるかに、かかっている」と(グラフ2)。

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工藤泰志 [言論NPO代表]

1958年生まれ。横浜市立大学大学院経済学修士課程卒業。東洋経済新報社で、『金融ビジネス』編集長、『論争東洋経済』編集長を歴任。2001年10月、特定非営利活動法人言論NPOを立ち上げ、代表に就任。その後、選挙時のマニフェスト評価や政権の実績評価、東アジアでの民間対話など、様々な形で議論を行っている。また、2012年3月には、米国の外交問題評議会(CFR)が設立した世界23カ国のシンクタンク会議「カウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)」の日本代表に選出。

 


言論NPO工藤泰志「議論の力」

言論NPOは、今年で設立から12年。日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい言論の舞台をつくろうと活動を始めた。同代表の工藤泰志が、数多くの有識者たちとの議論を通じて感じ取った日本の課題に切り込み、議論の力で強い民主主義実現をめざす。

「言論NPO工藤泰志「議論の力」」

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