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金正日氏死去後の経済と資産運用を、どう考えるか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第212回】 2011年12月21日
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サプライズではない金正日氏死去
経済および金融市場に与える影響は?

 12月19日、北朝鮮の国営放送が、同国の最高指導者であった金正日氏(享年69歳)が12月17日、地方視察の旅の途上に死亡したことを報じた。

 日本政府も隣国の韓国政府も、同氏の死去をこの放送で知ったようであり、北朝鮮の情勢把握の弱さが露呈されるなど、心配な面もあるが、金正日氏の三男である金正恩氏が最高指導者の地位を継ぐことが発表されており、今のところ北朝鮮に目立った混乱はない。

 日本と正式な国交を持たず、核兵器を保有する意図を隠さず軍事力強化に傾斜し、独裁体制下で国民が困窮下にある北朝鮮は、東アジアの地政学的な不安定要因であった。

 特に、「瀬戸際外交」と称された金正日氏の外交的な駆け引きには、日本をはじめとして、世界が振り回されることが度々あった。

 金正日氏の評価は本稿の主たるテーマではないが、彼は、権力の掌握と外交交渉などに独特の才能を持ち、(しばしば迷惑な)手腕を発揮した個性的な人物だった。

 しかし、アジア諸国、特に共産党独裁の中国が著しい経済発展を遂げた近年にあって、彼が主導した北朝鮮は経済発展を遂げることができず、このことが彼にとって最重要課題であった北朝鮮の国際的プレゼンスの向上を阻害した点を考えると、組織の指導者として高い点数を与えるわけにはいかない。

 もっとも、北朝鮮が(人口は韓国の半分弱だが)韓国並みの経済発展を遂げていたとすれば、軍事・外交的には、もっと厄介な存在であったかも知れない。

 正直なところ、現段階で明らかに論じられることは多くないが、「金正日氏死去」は、世界にとっても日本にとっても、今年のビッグニュースの1つだろう。この機会に、金正日時代以後の北朝鮮情勢が、経済および金融市場に与える影響について考えておきたい。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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