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西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門

社会保障・税一体改革の目玉
低所得者への「年金加算」は問題山積

西沢和彦 [日本総合研究所調査部上席主任研究員]
【第5回】 2011年12月27日
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消費増税と並ぶ社会保障・税一体改革の目玉は、低所得者への年金加算である。一見すると改善にみえる低所得者加算は、公平性を著しく損う、保険料納付意欲を削ぐといった年金制度の根幹を揺るがしかねない問題をはらんでいる。

一体改革のアメかアキレス腱か

 前回まで、年金制度を解説するなかで、改革の主要トピックスについて述べてきた。それらは、厚生年金へのパート労働者適用拡大、第3号被保険者問題、国民年金の納付率低迷いわゆる国民年金の空洞化問題、および、マクロ経済スライドなどである。

 これまで採りあげていないものの、今回の社会保障・税一体改革のなかで、今後の動向が極めて注目されるものとして、低所得者への年金加算がある。今回は、これを採りあげる。それは、この政策が素晴らしいからではない。消費税率引き上げの成否に強く影響を与えると考えられるからだ。

 政府・与党は、来年通常国会への法案提出を目指し、社会保障・税一体改革の最終とりまとめを急いでいる。柱は、消費税率の5%引き上げであるが、他方、社会保障のうち年金に関し、最大の目玉となっているのが低所得者への年金加算である(以下、低所得者加算)。これは、もとの月収と加算額との合計額月7万円を上限に、最大月1.6万円を加算するものであり(図表1)、所要資金は0.6兆円と試算されている。

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西沢和彦 [日本総合研究所調査部上席主任研究員]

ニシザワ カズヒコ/1989年3月一橋大学社会学部卒業、同年年4月 三井銀行入行、98年より現職。2002年年3月法政大学修士(経済学)。主な著書に『税と社会保障の抜本改革』(日本経済新聞出版社、11年6月)『年金制度は誰のものか』(日本経済新聞出版社08年4月、第51回日経・経済図書文化賞) など。(現在の公職)社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、社会保障審議会年金部会年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会委員。


西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門

増加する社会保障費の財源確保に向けて、政府は消費税引き上げの議論を本格化させている。だが、社会保障をめぐる議論は複雑かつ専門的で、国民は改革の是非を判断できない状態に置かれている。社会保障の専門家として名高い日本総研の西沢和彦主任研究員が、年金をはじめとする社会保障制度の仕組みと問題点を、できるだけ平易に解説し、ひとりひとりがこの問題を考える材料を提供する。

「西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門」

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