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映画は20世紀に生まれた大衆娯楽の一つです。そこに描かれているシーンやセリフは社会情勢を反映しており、社会の関心事や意識などを把握する上で、一つの重要なツールと言えます。一方、医療や介護など社会保障制度は私たちの暮らしをカバーする重要な存在であるにもかかわらず、複雑で分かりにくく、取っ付きにくい印象を持っているのではないでしょうか。そこで、古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていくことにします。第2回は、1957年制作の日本映画であり、川口浩探検隊で知られる川口浩主演の『満員電車』です。(ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳)

2018年4月から診療報酬が改定
私たちの生活に変化

 2018年4月から、医療機関に支払われる診療報酬の価格が変わります。この水準をめぐって、昨年末に首相官邸や財務省、厚生労働省、自民党、日本医師会の攻防の末、医療機関向けの診療報酬本体は0.55%増の結果に終わったという報道を見た方は多いかもしれません。

 それでは診療報酬が変わると、私たちの生活はどう変わるのでしょうか。実は、紹介状なしで大病院に行くと5000円を追加で徴収されるなど、色々な変化が起きるのですが、あまり実感できません。

 そこで「診療報酬が上がったら…」あるいは「診療報酬が下がったら…」を身近に想像してもらうため、映画を素材に解説していきましょう。