「薄給なのに浪費家」の夫と暮らして
目覚めた「倹約の喜び」

 「工場勤務の旦那は全然稼いでこないし、浪費家。借金は利息を返すので手一杯で、元金は全然減らない。お金がなくて服も買えず、妊娠中は1年間ほとんど同じジャージを着て過ごしていました。友達と気晴らしにカフェ行く余裕すらない。同世代の子たちはみんな遊びまくっている時期だったので、日に日に気分は落ち込んでいきました」

 幼少期からカナさんは、あまりお金に恵まれない人生を送ってきた。母子家庭に育ち、父親の顔を見たことはない。小学生のときに唯一、母親が買ってくれたクリスマスプレゼントは、学校の授業で使う毛筆だったという。

 毎日の工場勤務で疲弊した母親の表情を見ると、自分も周りの子のようにオモチャが欲しいとは、とても言えなかった。高校卒業後は、専門学校に入学。その後、実家の近所のコンビニバイトに落ち着き、そこに客として訪れたのが夫だった。妊娠から出産後1年間は家事と育児に追われて働くこともできず、家計は切迫。しかし、カナさんはそこで倹約の喜びを見出したと話す。

「節約のことばかり考えていたら、次第に楽しくなってきちゃって。自分はもちろん子どもの服やオモチャは全部、中古。基本的に新品で何かを買うってことはしません。ご飯をデパ地下の試食で済ませたり、土日にモデルルームを回って、そこで景品をもらったりするのが休日の家族のイベントでしたね」

 とにかく1円でも多く節約する。カナさんは、同世代の女子がパンケーキや女子会に精を出すのを横目に、一心不乱に節約だけを念頭に置いた日々を送るようになった。子どもが2歳を過ぎてからは時間的な余裕も生まれ、近所のスーパーでパートを始めた。