日本人が苦手としている論理的な考え方――。実は、そのエッセンスはすでに義務教育で習っているという。受験戦略家であり、『ビジネスで差がつく論理アタマのつくり方』の著者・平井基之氏が、簡単に身につく論理的な思考法のポイントを解説する。
中1数学の中に
論理思考のエッセンが詰まっている
みなさんは、もうすでに論理思考を習っています。
というと、ウソだと思うかもしれませんが、ウソではありません。
ズバリ、中学1年生の数学に論理思考のエッセンスがたくさん詰まっています。
「でも、論理思考なんてできるようになったかな?」とお思いの方もたくさんいることでしょう。
これにはカラクリがあります。
一般的に、学校の数学の授業というのは、先生が「はい、こういうふうに計算すれば問題が解けますね。では、みなさん、問3をやってみてください」と指示し、生徒が指示された問題を解く、といった感じだと思います。
このように、学校の授業は数学の問題が解けるようになるために、予定されたカリキュラムで進みます。先生も論理思考を身につけさせる目的で授業をしませんし、生徒も論理思考を身につけようという姿勢で授業を聞いていません。
だから、中1数学の授業を受けても、論理思考ができるようになるとは限りません。これがカラクリです。
では、大人になって中1数学の教科書を眺めたことがあるでしょうか?
恐らく、ほとんどの方がないと思います。あったとしても、熟読はせず、パラっと目を通したくらいではないでしょうか。
しかし、よく読んでみると、論理思考を学ぶのに、非常に役に立つ内容ばかりです。