日本人が苦手としている論理的な考え方――。実は、そのエッセンスはすでに義務教育で習っているという。受験戦略家であり、『ビジネスで差がつく論理アタマのつくり方』の著者・平井基之氏が、簡単に身につく論理的な思考法のポイントを解説する。
どの分野にも
論理力が必要になる
世の中、さまざまな論理思考、論理力、ロジカルシンキングなどの本が出ています。私も何冊か愛読していますが、たくさんのノウハウが載っていて、少し使いづらさを感じていました。
もっとシンプルに、なるべく簡単に、かつ子どもでもわかる言葉で表現できないものかと試行錯誤していると、意外なところにヒントがありました。
数学でも論理は登場するし、文章の読み書きでも必要、理科や社会、経済や法律などでも役に立つものです。どんな分野にでも関わってくるのが論理だと言えます。
私も受験指導をする中で、少しずついろいろな分野の勉強をしてきましたが、論理がシンプルにまとまっていると思ったのは、国語の現代文がきっかけでした。
現代文は、数学と同様、論理の科目だと言われています。筆者の主張を読み取ることが最も大切なのですが、その筆者の主張は、たいてい通説を批判しながら展開されます。
つまり、「筆者の新説vs.通説」というバトルが、現代文の文章だということです。
そのバトルも無差別級でルール無用のケンカではなく、ルールに則ったスポーツに近いと思ってください。
筆者が通説に寄り添って同じ主張をする部分がありつつも、根本的なところでは通説と違う主張をし、それを読者に論理的に納得してもらう。これが、1つの型になっています(ついでに、筆者の新説が、必ず通説に勝利するところまでが型だと言えます)。
この型にさまざまなテーマの内容を放り込むと、1つの評論文が完成します。
その型を読み取るのが現代文の読解であり、文章を書くのが小論文という科目です。