次に、「そもそもこんな知識が大学に入るのに必要なのか」という疑問についてだ。ムーミンの舞台がフィンランドであることを知らなかったために得点を逃した受験生の気持ちを思うと、その切実なクレームもわからなくはない。

 しかし、もともとの問題を読んでみると、済まないがそれほど同情の気持ちは湧いてこない。むしろよくできた問題だと思う。ムーミンの作者トーベ・ヤンソン氏がフィンランドの作家であるということを知っていれば即答できる問題だからであるが、手がかりはそれだけではない。

 同じ問題に登場したビッケについて、バイキングがノルウェーの民族だと知っていれば、やはり消去法で即答できる。ノルマン人がイングランドを征服したという歴史や、バイキングがコロンブスよりも先に新大陸を発見したという歴史知識があれば、『小さなバイキングビッケ』という作品自体を知らなくても、むしろ簡単に答えられるだろう。

ムーミンを知らなくても解ける!
隠されたヒントがたくさんあった

 さらにこの問題は、実はムーミンを知っているだけでは正解にならない。それぞれ(タ)(チ)という番号が付いたムーミンとビッケの画像の横に、同じく(A)(B)という番号が付いたフィンランド語とノルウェー語のイラストが載っており、アニメの舞台とその国の言語として、(タ)(チ)(A)(B)のどのような組み合わせが正しいかを、選ばせる内容になっていたのだ。

 その言語とは、「(それは)いくらですか?」という意味の「A:ヴァ コステル デ?」と「B:パリヨンコ セ マクサー?」である。

 受験生にしてみれば、こっちのほうが「わかるわけない!」と憤りそうだが、親切なことに、Aのイラストには妖精のような小さな小人が描かれていて、Bのほうにはトナカイが描かれている。

 トナカイと言えばサンタクロース。そして、サンタクロースが世界に向けて出発するサンタクロース村はフィンランドにある。また、サンタクロース村はムーミン谷と違い、実在している上に営業もしている。それを知っていれば、正しい組み合わせはBであることがなんとなく想像できる。