脳科学によって、マインドフルネスの効果がわかってきた

 現在、メンタルを鍛える方法として、一般的に有名なのはマインドフルネスだと思います。このブームの背景には、様々な研究機関によるエビデンスの確立と、グーグルやインテル、ツイッターなどの世界的大企業が従業員のパフォーマンス向上プログラムの一環として採用したことがあります。

 近年では、継続的なマインドフルネスの実践により、前頭前野背外側部や島皮質を中心に脳が鍛えられ、筋トレにおける筋肉のように脳が肥大することがわかってきました。

 その鍛えられた前頭前野背外側部には、さらに、不安と関わる脳の器官である扁桃体からの出力を抑えてくれる効果があることも明らかとなりました。また、扁桃体の体積が縮小することも明らかになってきました。

 マインドフルネスは、今から約2500年前にお釈迦様が提唱したヴィパッサナーという瞑想がベースになっていますが、科学技術が発展した現代においてこうした伝統的な精神鍛錬法が世界的にブームなのも大変興味深い話です。

 それだけ、いつの時代もメンタル面の強化は重要視されていたのでしょう。以前は、考え方、ものの見方を改めさせる認知行動療法と薬物療法が主流を占めていましたが、近年は、マインドフルネスのように、脳を鍛え、脳の構造を変え、心の働きを正常化させる方法が主流になってきました。

 このトレンドは、今後も続くだろうと私は考えています。