安倍晋三首相は、韓国で開催される平昌冬季五輪の開会式に出席する意向を表明した。首相は、「20年に東京五輪がある。同じアジアで開催される平昌五輪の開会式に行き、選手団を激励したい」と語った。その上で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談し、旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡る2015年末の「日韓合意」について、日本の立場を伝え、その履行を求める。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応についても、日米間の連携の重要性や最大限まで高めた圧力を維持する必要性を伝えるという。
安倍首相の平昌五輪開会式出席・文大統領との首脳会談の開催には、既に様々な批判が出ているが、本稿は安倍首相の決断に賛成する。それだけではなく、安倍首相に韓国で「元慰安婦に直接会うこと」を提案する。それは、いつまでもズルズルと続いて終わることがない従軍慰安婦問題に、日本として「決着」をつけるためである。
ムチャクチャと言うしかない
文大統領の日韓合意「新方針」
慰安婦問題を巡る日韓合意についての文大統領が表明した「新方針」は「日本側に再交渉を求めないが、元慰安婦への支援事業は見直し、日本政府から拠出された10億円の拠出金は、韓国政府が同額を支出する」という、全く理解に苦しむものである。日本からの拠出金をどうするのかは、「日本と協議する」としているが、一説によれば、日本が返還を拒否するので、「国庫」に入れるという話があるという。
これでは、国家ぐるみのマネーロンダリングだといっても過言ではない。もし、事実だとすれば、こういうことを恥ずかしくもなく考えられるというのは、どういうものだろうか。やはり、かつて悪いことをした「ならず者」の日本に対しては、なにをしても許されるという感覚なのだろうか(本連載第166回)。