コインチェックの和田晃一良社長(左)と大塚雄介最高執行責任者。会見で不正送金の経緯を説明したPhoto:JIJI

1月26日、仮想通貨の大手取引所であるコインチェックは、日本円にして約580億円分の仮想通貨が不正に送金されたと発表した。過去最大規模となる今回の流出事件から、取引所のシステム不備や大金を生む取引所の収益構造など、熱狂する仮想通貨市場の盲点が浮き彫りになった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)

 仮想通貨取引所のコインチェックで、売買も出金もできなくなった──。

 1月26日、インターネット上に溢れるこうした投稿を見て、30代の男性投資家は焦りを覚えた。自身がコインチェックに預けているのは、日本円にして約5000万円。居ても立ってもいられず、仕事が終わるとすぐに職場の埼玉県川口市からコインチェックの本社がある東京・渋谷に駆け付けた。

 だが、本社前に投資家や報道陣、やじ馬が何十人も集まって騒然とする様子を目の当たりにして、事態の深刻さを痛感。その瞬間、「お金は返ってこないかもしれない」と覚悟を決めたという。

 同日深夜、渦中のコインチェックは記者会見を開き、一連の騒動について説明。そこで明らかになったのは、日本円にして「約580億円に相当する仮想通貨が不正に送金された」(大塚雄介最高執行責任者)という流出被害だ。

 仮想通貨といえば、ブロックチェーン(分散型台帳)を使った暗号技術によって、通貨としての安全性は盤石と言われてきた。その一方で、2014年に破綻したマウントゴックスに続き、大手取引所での不正流出が発覚した。その背景には何があるのか。