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【新日本製鉄】
「新日鉄住金」の誕生で変わるか?
相対的な地盤沈下が進む鉄鋼事業

週刊ダイヤモンド編集部
【第56回】 2012年1月26日
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“新日鉄住金”の誕生で、再び産業界の注目を集めている鉄鋼業界。だが、世界的に見れば、日本メーカーの存在感は薄くなっている。その打開策の一つとしての経営統合には、活路はあるのか。

 昨年12月中旬、公正取引委員会が、一部条件付きで国内首位の新日本製鉄と同3位の住友金属工業の合併を承認した。計画どおりに進めば、今年10月には「新日鉄住金」が誕生する。世界鉄鋼協会のデータによれば、両社の合併で、国の工業力を図る指標の粗鋼生産量では“世界第2位”となる。

 この動きを受けて、日本鉄鋼連盟の林田英治会長(国内2位のJFEスチール社長)は、公取の判断を好意的にこう評価した。「今回の審査はスムーズで、他産業にとっても、日本の競争力強化、業界再編にプラスになると確信している。JFEスチールとしても、広い選択肢で考えられるようになったことは意義のある決定だった」。

 国内の業界再編では、2002年9月に発足したJFEホールディングス(旧NKKと旧川崎製鉄が母体の持ち株会社)が先行していた。その後、ようやく12年10月になって新日鉄住金の誕生となる。だが、もとより“国内2強”は、「連結売上高では1兆円近い差があるが、両陣営の実力は接近している」(新日鉄の幹部)。企業規模で勝る最大手の新日鉄が、利益率ではJFEホールディングスに負け越しているからだ。

 国内の鉄鋼業界で収益性を測る指標とされるROS(売上高経常利益率)で見ると、両社の差は顕著になる(図1)。連結売上高では、新日鉄が4兆1097億円(10年度)と、JFEホールディングスの3兆1955億円を大きく引き離すが、ROSではJFEのほうがほとんど上回っている。

 最大の理由は、母体が国営会社だった新日鉄が、北は北海道から南は九州まで全国に10ヵ所の製鉄所を持っていた経緯にある。鉄鋼事業は、地場産業的な性格が色濃く、新日鉄の生産設備は全国に点在していた。一方で、JFEホールディングス傘下で鉄鋼事業を担うJFEスチールは、幸運にも全国を東日本と西日本の二つのエリアに集約して効率化を推進できたことが有利に働いた。

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