家電・デジタル製品で
リアル店舗に元気がなかった冬商戦

クリスマス商戦期だが国美電器に客は少ない

 中国でクリスマスから新年にかけては、10月の国慶節に続く商戦期となる。繁華街の多くのデパートやショッピングセンターが、ポイント倍増キャンペーンや購入者に同店舗で使えるクーポン券をプレゼントするキャンペーンで客寄せをする。レストランが最も元気で、アパレルショップもまあまあ元気だが、この冬は家電量販店や携帯電話ショップの元気がなかった。

 消費者が家電やデジタル製品に関心がないというわけでもなければ、先立つお金がないわけでもない。オンラインショッピングで最安値で購入したいがために、リアル店舗離れが起きているのだ。ポイントもあるにはあるが、日本のポイントシステムほど洗練されておらず、消費者にとって魅力的には映ってない。

 また行儀の善し悪しはさておき、家電に関しては、日本で最近よく聞く「リアル店舗で見て、ネットで購入する」客も少ない。この点については蘇寧電器や国美電器の店員の接客がしつこい上に、商品数は店の広さの割に多くなく、様々な商品を体験してチェックすることができないためだ。

 逆の例として、過去に上海を中心に展開した「ベストバイ」は、日本の家電量販店同様に多種の商品を展示。店員につきまとわれることなく商品に触れることができたので、客入りはよかった。もちろん電器製品という商品の性質上、服の試着に比べれば利用する必然性は低い。

「淘宝網」(タオバオ)が運営する人気オンラインショッピングサイト「淘宝商城」。クリスマスや年末はキャンペーンを実施

 調査会社「易観国際(Analysys International)」によれば、中国のBtoCオンラインショッピングサイト(日本でいえば楽天やAmazonのような、企業対個人のサイト)のユニークビューアー数は、多い順に、「淘宝網」のBtoCサイト「淘宝商城」(日本でいえば「ヤフーオークション」のポジション)が1億超、続いて家電やデジタル製品に強い「京東商城」が5000万超、3位グループに書籍に強い「当当網」「Amazon中国」、アパレルの「凡客誠品」が続く。全ジャンルに強い淘宝網も含め、最もオンラインショッピングで人気の製品ジャンルは、家電やデジタル製品だといえる。