「どんな人でもマネジャーとして成功できる」と断言できる理由

 ここで少し、私の話をさせてください。

 私は1989年、まだ創業間もないプルデンシャル生命保険という会社に入社しました。大学を卒業後、7年勤めた食品会社を経ての転職でした。

 プルデンシャル生命に入社後、広島支社でライフプランナーとしてのキャリアをスタートしました。すると、入社1年目で全国のライフプランナーの中で4位の成績を取ることができました。2年目には全国1位になりました。収入は前職からはまったく想像もつかなかったほどになり、ライフプランナーとして大きな成功を収めました。

 そして、翌年、あっさりとライフプランナーから、営業所長と呼ばれるマネジャーに転じました。その後も、マネジャーとして実に多くの成果を収める機会に恵まれます。たとえば、こんなことをしました。

・初任地の広島で、営業所長として全国4位を獲得
・支社長として、新設の新宿支社を全国2位に育て上げる(1人当たり売上は全国1位)
・全国最下位クラスの仙台支社を、わずか10ヵ月で全国2位に立て直し
・メンバーの中から全国1位のライフプランナーが誕生

 国内だけでなく、海外でも組織を成功に導いてきました。

 撤退寸前だった韓国法人を1年で立て直したり、ブラジル現地法人の立ち上げをしたり、10ヵ国以上の拠点のトップマネジメントに携わってきました(四大大陸制覇!)。

 在職中には、社長杯に連続7回、入賞しました。月間の手数料生産性のギネスを樹立したほか、会社のビジョンやミッションの策定、社員満足度の向上への取り組みなどにも挑みました。

 その後、執行役員常務、執行役員専務、グループのジブラルタ生命保険の専務執行役員、AIGエジソン生命の代表取締役副社長、そしてプルデンシャル米国本社でシニア・バイス・プレジデントを歴任し、2017年に退任、独立しました。

 独立後も、数名ですがチームを率い、世界レベルのアプリや宿泊施設の立ち上げに携わり、間もなく成果を上げようとしています。

 ここまで聞くと、「とてもすごい人」「私には真似できそうもない」、そう思ってしまうかもしれません。

 でも、私はいたって平凡な人間で、マネジャーになった頃は、むしろ失敗の連続。任されたチームは全国最下位に沈んでいました。

 だから、断言できるのです。マネジャーとして必要なのは、才能や特別な能力ではない。一つの後天的な技術であり、それを身につけ、実践することができれば、どんな人でもマネジャーとして成功できる、と。