今月16日、大手スーパーのユニーは子会社であるサークルKサンクスを公開買い付けにより完全子会社化することを明らかにした。業界4位のサークルKSと上位3社との成長力の差が拡大する中、ユニーとの相乗効果の拡大を図る。しかし、ライバルとの差は拡大の一途であり、早期に成長戦略を指し示す必要がある。(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)

サークルKSはユニーによる完全子会社化により相乗効果の強化を図る

「早くファミリーマートの店舗数を追い越して欲しい」

 ユニーは今年初め頃、サークルKサンクスの中村元彦社長に対し、苛立ちを露にした。

 それに対し、中村社長は「それじゃあ、ユニーはいつイオンを追い越すのか」と言い返した。

 大手コンビニ3社の一角に食い込みたいユニーと、いまの体力では規模を追うのは二の次と考えるサークルKSの間には、出店方針を巡る温度差があった。だが、結局、ユニーがサークルKSを完全子会社化することで合意した。ユニーはサークルKSに47.2%出資しているが、今後、4月2日までTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株の取得を目指す。TOB価格は1株1780円で、発表前日終値に約34%のプレミアムを乗せ、買収総額は765億円となる。

 ユニーは2013年2月に持ち株会社ユニーグループ・ホールディングスへ移行し、傘下にスーパー事業のユニー、コンビニ事業のサークルKSなどを持つことになる。コンビニ事業を100%子会社とすることで、セブン&アイ・ホールディングスやイオンのような総合小売業としての連携を強化する構えだ。

 今後、ユニーグループのPBである「スタイルワン」「プライムワン」などの商品開発や仕入れ、物流面での相乗効果が期待できる。

 中村社長は「物流でユニーとの統合を断行したい。仕入れでもユニーグループのメリットを活かし、仕入れ原価を改善したい」と語る。