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ロボットが患者にメスを入れる時代がやってきた!
投資界も注目の近未来手術ロボット「ダ・ヴィンチ」

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第183回】 2012年2月15日
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 ここ最近、投資界で注目を集めている企業がある。インテューイティブ・サージカルという会社だ。

 直訳すると「直感的手術」という意味になるこの企業は、実はロボット手術の技術を開発する企業で、シリコンバレーが拠点。「ダ・ヴィンチ」という名前の手術ロボットがよく知られている。

インチューイティブ・サージカルの手術ロボット「ダ・ヴインチ」と操作装置を覗きこむ医師

 ダ・ヴィンチは、正直なところ、見た目が怖い。台に立つ支柱から4本のロボットアーム伸びている。自動車の生産現場でロボットアームが動いている様子をご覧になったことがあるかと思うが、それよりもちょっと短めのアームが4本もついているのだ。それだけでも怖いが、これが手術台の患者の上に覆いかぶさるように配置され、患者にメスを入れる。医者は直接手をつけないのだ。

 4本のアームのうちの3本には、先に小さなメスや鉗子(ハサミ)が装着されていて、これが患者の体内で臓器を切ったり、皮膚を縫い合わせたりする。ロボットが単身で、人間の身体に手術を施す時代がやってきたというわけだ。

 このSFの悪夢のような手術風景は、一部の病院ですでに当たり前のことになっている。2011年6月末時点で、ダ・ヴィンチは世界中の病院1560カ所に1933台も導入されている。日本国内でもすでに数十台が入っている。ことに前立腺ガンの手術で多用されているという。

 インテューイティブ・サージカル社は、好調な業績を上げており、2011年度の売上は1億7430万ドル。2012年度は、これをさらに17~19%上回ることになりそうだという予測も発表している。現在の株価は500ドル前後で、投資界ではアップル社にも並び称せられる有望株との誉れが高い。専門家によっては、株価は700ドルに達するのではないかと見る向きもあるほどだ。この好調ぶりからわかるのは、手術の現場は、われわれが想像する以上に、どんどん未来的なものになっているということである。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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