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親の介護はするが自分は子どもに面倒をかけたくない
現役世代が長生きしたくない涙ぐましき理由

小川 たまか
【第64回】 2012年2月21日
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 厚生労働省の推計によれば、40~64歳までが支払う介護保険料は、今年4月以降、月額で4600円。現在よりも約180円増え、これまでで最も高くなるという。高齢化・少子化というキーワードを持ち出すまでもなく不安材料だらけの老後について、ビジネスパーソンたちはどう向き合っているのだろうか。第一生命経済研究所が行った「自分の介護の準備に関する調査」を見てみたい。

 調査対象は全国の30~69歳の男女。有効回収数は1092人。実施時期は2011年11月29日~12月13日。

ドライ?遠慮?
「子に介護させる」はわずか2%

 アンケートで印象的だったのは、「『親の介護』と『自分の介護』の担い手についての考え方」について聞いたもの。自分の親の介護と自分自身の介護について、大きく考え方が違うことがわかる。

 たとえば、自分の親の介護の担い手について、「配偶者の役割である」と答えた人はゼロだったのに対し、自分の介護の担い手は「配偶者の役割である」と答えた人は18.2%いた。さらに、親の介護の担い手について「子の役割」、つまり自分であると答えた人は30.2%。しかし、自分自身の介護が「子の役割」と答えた人はわずか2.8%にとどまった。同様に、「同別居を問わず、家族・親族全員で協力して担うべきである」は、自分の親の介護の場合は50.4%、自分の介護の場合は29.4%と差がついた。自分の介護の担い手については、配偶者や子どもよりも「専門の介護職員が担うべきである」(34.4%)と答えた人が最も多かった。

 この結果から読み取れるのは、「親の介護の面倒を見るのは仕方ないが、自分の老後は子どもに面倒をかけたくない」という心理だろう。実際に介護される側になるときが来たらどうなるかはわからない。だが、現在介護がなくても元気に過ごしている状況の中で、「子どもの介護を受けている自分」を想像できる人は少ないのだろう。「専門の介護職員」と答えた人が多い結果は、一昔前までは「老人ホームに親を捨てる」などと忌避された介護施設に対する捉え方が変わってきたことを意味するのかもしれない。

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