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SNSが国家体制に与える影響、企業所有と経営の分離――フェイスブックのIPOが提起する2つの問い

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第214回】 2012年2月21日
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グーグルをも凌ぐ規模に!?
フェイスブックのIPOに熱い視線

 2月1日、世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)企業であるフェイスブックが、新規株式公開(IPO)の申請を米国証券取引委員会(SEC)に提出した。フェイスブックのIPOは、グーグルのそれを凌ぐ規模になる可能性が高く、市場関係者から熱い注目を集めている。

 今回のフェイスブックのIPOに関連して、二つのことを考えてみたい。

 一つは、SNSという機能が果たすべき社会的な意味だ。SNSはインターネットをツールとしたネットワークを作ることによって、社会に様々な影響を与えている。“アラブの春”と言われるアラブ諸国の民主化運動の広がりにも、そうしたネットワークが重要な役割を果たしている。そのネットワークを、営利を目的とした民間企業が立ち上げ、その機能を維持することが可能なのだろうか。

 特に、今回フェイスブックが多額の資金を集め、一躍、株式市場の寵児となることは明らかだ。その企業が、社会の公器になりつつあるSNSを如何にして運営していくのだろうか。興味のあるところだ。

 もう一つ気になるのは、フェイスブックの上場企業としての経営体制だ。同社の創設者でCEOのマーク・ザッカ―バーグ氏は、全体の56%を超える議決権を持つと言われている。そうした状況を単純に考えると、企業の創立・所有・経営が分離しない状況が続くことになる。恐らく同社は、今後も同氏の“ハッカー・ウェイ”という独自の経営方針を続けることになるだろう。

 問題は、プライベ-ト・カンパニーの延長線上の経営体制で、これだけ規模の大きな企業の経営が効率的にできるか否かだ。いずれにしても、米国の株式市場では、様々な興味深いことが起きるだろう。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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