>>(上)より続く

『ふざけるな!震災から今日まで…お前があんなふうに出て行って、こっちはどれだけ苦労したと思っているんだ!!そっちだけ幸せになって喜べるわけがないだろ!?優愛はこっちに戻ってこないんだし、跡取り息子でも何でもないんだから、もう自分の娘だと思ってないよ。そっちの家の娘になったんだから、いい加減、俺のことは忘れてくれよ!そっちに全部、任せるからさ!!』

 メールを見た景子さんはあまりにもショックが大きく、食事が喉を通らず、夜もまともに眠れず、1ヵ月で体重が5キロも減ってしまいました。毎週のように通院し、点滴を受けざるを得ないほど心身ともに疲れ果てていたのです。さらに……。

娘の不整脈が精密検査で発覚
養育費の未払いが4ヵ月に

「実は…娘が学校の健康診断で要検査になり、大学病院で精密検査を受けたところ、不整脈であることが判明しました。震災当時は福島に住んでいたので、きっと放射能を吸ったせいだと私は思っています。娘の心臓がこれ以上、悪化しないように、せめてお金のことはちゃんとしてあげたいのに、養育費を打ち切るだなんて……。しかも優愛は高校入学を控え、これからお金がかかる時期なのに、うちだって全然、余裕がないんです!!」

 結局、景子さんは4ヵ月間、元夫との間で、売り言葉に買い言葉の繰り返しで埒が明かず、私のところへ相談しに来たのです。

 景子さんと元夫が離婚時に交わした公正証書は下記の通りでした。

 公正証書の文面(署名欄は割愛)

 離婚給付契約公正証書

 羽野光二(以下、甲という)と羽野景子(以下、乙という)は離婚について以下のとおり、合意した。

 第1条 甲と乙は協議離婚が成立することに合意した。甲乙間の未成年の子・羽野優愛(平成15年8月15日生まれ、以下、丙という)の親権者は乙に定める。

 第2条 甲は乙に対し丙の養育費として離婚成立月から丙が満20歳に達する翌年の3月まで毎月末日に金40,000円を次に掲げる金融機関の口座へ振込入金にて支払う。振込手数料は甲が負担する。ただし本条弁済日が銀行非営業日の場合は、その前営業日とする。

 <振込口座>
 ゆうちょ銀行 〇四六支店 普通預金 5582453
 羽野優愛(ハノユア)

 第3条 甲乙は互いに住所、連絡先(電話番号、メールアドレス、LINEのID等)、勤務先が変わった場合、それぞれ新しい住所、連絡先、勤務先の名称、所在地を通知すること。

 第4条 甲は本書の金銭債務の支払いが遅延した場合は強制執行を受けることを承諾した。

 第5条 甲及び乙は、本件離婚に関し、本証書に定めた以外にはお互いに相手方に対して何らの請求をしないことを相互に確約する。