『すごいぞ、中国』という自画自賛映画を日本は笑っていられない中国では電気自動車充電施設の設置も進められている Photo:Imaginechina/AFLO

「すごいぞ、中国」という映画を上映

 中国で映画『害了 我的国』が上映されている。日本語に訳すと『すごいぞ、中国』。その内容は、習近平政権の基盤強化のために作られたプロパガンダ映画である。

 この作品はドキュメンタリー映画。空撮を駆使したフィルムに映し出されるのは、世界最大の「500メートル球面電波望遠鏡」や、世界最大の海洋掘削装置「藍鯨2号」のほか、習政権下で成就した高速道路、橋梁、港湾など実在するものばかりだ。

「中国はすごい」という自画自賛、この空気感は言うまでもなく、「愛国主義こそが社会主義の核心的価値観だ」とする習近平国家主席の思想が大きく作用している。だが、中国人だけではない。中国から日本に戻った出張者たちも、異口同音に「中国はすごい」とうなる。

 ものつくり大学の田中正知名誉教授は最近、杭州の監視カメラのOEM工場を訪れた。ここで手掛けているのは、日本を含む世界の大手メーカーの製品だ。工場では最新鋭の自動機械が稼働、プリント・実装・分割・部品組み付けに至る基板製造の全工程をワンフロアで行っている。この現状に田中教授は絶句する。