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吉田恒のデータが語る為替の法則

8月87円、2014年100円、2015年120円?
逆バブル破裂で史上最長のドル高・円安も

吉田 恒
【第196回】 2012年3月7日
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 足元で進行している米ドル高・円安が、一時的ではない可能性が高まってきました。過去の例を参考にすると、米ドルはもう79円を大きく割ることなく、今年8月あたりに87円前後を目指す見通しとなります。

 そして、米ドル高・円安の「平均シナリオ」ならば、2014年には100~110円まで上昇し、さらに、米国の金利に「予想できないこと」が起これば、過去最長の円安となるかもしれないのです。

米ドル高・円安は「一時的」か?
基調転換なのか?

 米ドル/円は先週、82円近くまで上昇しました。

 それでも、この米ドル高は一時的で、再び昨年10月に記録した75円台前半の歴史的安値更新をトライする可能性は消えていないといった慎重な見方も少なからずあるようですが、果たしてどうでしょうか?

 最近のこのコラムでも何度か申し上げてきましたが、82円近くまでの続伸の動きは、足元で79.00円レベルにある52週移動平均線を大きく越えたことになります(「ドル/円は基調転換か、ダマシかを見極める最終段階に入った。『週末終値79円』がカギ」など参照)。

 「資料1」をご覧ください。私が調べたところでは、52週移動平均線を一定期間、かつ、大きくブレイクした動きが一時的だったことは、これまでにありませんでした。

資料1

 ちなみに、この場合の「一定期間」とは1ヵ月程度、「大きく」とは4%以上です。先週まで、米ドルは3週連続で52週移動平均線を上回り、そして、先週の終値は52週移動平均線を4%近く上回るものでした。

 その意味では、かなり「一定期間」、「大きく」、52週移動平均線よりも米ドル高・円安になったのです。

今年8月に87円に向かう
米ドル高・円安が始まっている!?

 52週移動平均線を「一定期間」、「大きく」ブレイクしたにもかかわらず、米ドル高・円安が一時的であったということになるなら、それはこれまでになかったことが起こるという意味になります。

 そうではなくて、これまで起こらなかったことは、やはり今回も起こらないとなるなら、この米ドル高は一時的ではないということになります。

 つまり、当面のところ、52週移動平均線を米ドルは下回らないということになり、すなわち、79円を大きく割り込むことはないという見通しになります。

資料2

 また、過去の例を参考にすると、52週移動平均線をブレイクした直後の米ドルは、一方向へ大きく動くという傾向がありました。

 「資料2」をご覧ください。2000年と2005年のケースを見ると、米ドル高トレンドの中で52週移動平均線を上抜けた場合、その後の半年程度で、米ドルは10%前後も上昇していました。

 これからの展開を考える上で、過去の似たようなケースを参考にするのは基本でしょう。

 そうであれば、2月に79.00円レベルにあった52週移動平均線を上抜け、それから半年で10%程度上昇するならば、8月に87円に向かう米ドル高・円安が始まっていると考えることができます。

 そして、誤差を考慮するなら、今年の夏から秋にかけて85~90円を目指すというのが基本シナリオだと思います。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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