全員が全力で貢献できる構造がカギ

少人数になればなるほど、チームはよりフラットになる。

親密なチームでは、メンバーは上司と部下ではなく、自ずとパートナーとして振る舞う。

これがイノベーションには欠かせない。

人が深く関わり合い、アイデアを自由に共有することで、創造性が発揮される。

少人数ならそれがしやすい。

とくに、はずかしがり屋や内向的な人や慎重な人ならなおさらだ。

少人数のほうがいい理由がもう1つある。メンバーの数が10人を超えると、仕事のスピードが下がる。

大人数の集団は少人数に比べて動きが遅い。

新しいアイデアを試す時は、とくにそうだ。

イノベーションには素早い実験の繰り返しが必要で、メンバーをのけ者にすることなく、
チームで急いで判断しなければならない。

僕の経験では、チームの成功のカギは、すべてのメンバーが全力でプロセスに貢献できる構造になっているかどうかだ。

しかし、チームが大人数になればなるほど、全員が貢献することは難しくなる。

10人を超える人が同じ部屋にいたら、どんなことにも合意できなくなってしまう。

頭が痛くなるようなこともある。

多数決で最良のアイデアを選ぶというのも、全員に参加してもらう1つの手だが、それでは少数派が100%貢献できなくなってしまう。

多数決はチーム内の分断につながることも多い。

一部の人たちがいつも否定されることになりかねない。

その結果、派閥ができる。

イノベーションチームに派閥ができると、政治がプロセスを支配するようになる。

そうなると最悪だ。

多数決のもう1つの欠点は、少数派を仲間はずれにしたいために、賛成できなくても多数派になびく人が出てくるということだ。