お台場の億ションはあり得るが、
有明の億ションはあり得ない?

 市場での販売戸数が4倍にも膨らむということは、4分の1にもなり得ると考えた方がいい。不測の事態に対して億ションの対処は難しい。そこで、市況が悪くなってもあまり価格を下げずに売却できるリスクヘッジをしておいた方がいい。

 マンションは1に立地、2に立地である。だからこそ、億ションもエリアを選ぶことが最も重要になる。その立地とは「アドレス」(住所)を意味する。新築供給と中古成約のエリア分布を以下のように比較すると、重要なことがわかる。

◆図表2:億ション供給割合ランキング(首都圏)

(出典)不動産経済研究所、東日本流通機構からスタイルアクト作成
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 この分析の場合も、中古の数字が市場の実態を最も反映している。中古成約の行政区割合の1位は港区で38.8%、2位は渋谷区で10.6%、3位は千代田区の7.5%である。上位2区で約半数を占めるという事実から、億ションはこの2区に絞った方が無難である。

 億ションを購入する人は会社員ではない。通常の住宅ローンは8000万円が融資額の上限である。頭金2割・2000万円入れてやっと1億円に達するが、これ以外に購入諸費用がかかる。億ションは銀行から特別なローンが引けるか、全額現金で購入する人向けである。

 こうした人はたいていの物件が買えるので、どんなに立派な建物でもお眼鏡に適わない立地には見向きもしない。常に港区の高級住宅地と比較して勝つ要件を持ち合わせた物件しか億ションでは売れない。

 その第一要件がアドレスである。たとえばお台場は港区で、近隣の有明は江東区になる。お台場での億ションはあり得るが、有明では中古1億円以上で売るのは難しいと考えた方がいい。億ション購入者は、江東区アドレスを選ばないのだ。

 渋谷区でも駅によって億ションがあり得る駅とそうでない駅がある。山手線の恵比寿、渋谷、原宿駅から内側の表参道や広尾はいいが、外側の初台、参宮橋駅などではあり得ないことになる。何でも選べるということはそういうことだ。