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弁護士界の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年

“ポスト過払いバブル”は何でもあり
顕在化する弁護士界の憂鬱な現実

【第1回】 2012年3月13日
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過払い金返還請求は、消費者金融業界を瀕死の状況にさせたが、弁護士界を潤おした。過払いバブルは弁護士界の常識や弁護士自身の倫理感をも変えさせた。そのバブルがはじけた今、弁護士界では次なるメシのタネを探す動きが活発になる一方で、若手弁護士が育たず、非弁提携がはびこるような混沌とした状況となっている。弁護士界をとりまく今をレポートする。
(ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

 東武伊勢崎線の竹ノ塚駅からタクシーで約10分。住宅街のど真ん中。スーパーの「サミットストア」を核にした小規模なショッピングモールが現れる。その一角に、「北陸富山回転寿司かいおう保木間店」があった。

 寿司の価格は握り二貫で一皿105円から。唐揚げなどのサイドメニューも充実している。注文はテーブルに備え付けられているタッチパネルを操作する。例えば「にぎり→サーモン→2皿……」という具合にタッチしていけばいい。数分すると、厨房の奥から専用の搬送車の荷台に乗って注文した寿司が運ばれて来る。

 よくある、普通の回転寿司店だ。ただ、一点だけ普通ではないところがあった。それは待合コーナーのマガジンラックに「会社がない!」(すばる舎、石丸幸人著)、「損害賠償 請求と手続き」(あさ出版、弁護士法人アディーレ法律事務所著)といった、過払い金や債務整理などの法律関連の書籍があったことだ。

待ち合いコーナーには法律関連の書籍が並んでいた。

 しかし、この店の経営母体がどこかを知れば、だれもが納得するだろう。実はこの回転寿司店は、弁護士法人アディーレ法律事務所の代表弁護士、石丸幸人氏が全額出資して設立された株式会社アディーレ・フードサービスが経営する店舗なのだ。だから、マガジンラックに石丸氏の著書があったのだ。

なぜ寿司屋?なぜフランチャイズ?
次のメシのタネになるのか?

 この回転寿司店は、海王コーポレーションがフランチャイザー(本部)となり、西は兵庫県から東は群馬県まで店舗を展開している。東京初進出の店舗と2011年2月にオープンした店舗を、秋からフランチャイジー(加盟店)として契約したのが、アディーレ・フードサービスだった。

 アディーレ法律事務所は、大量のテレビコマーシャルを打ってきたため、名前くらいは聞いたことがある人も多いだろう。アディーレは、消費者金融業会社に払いすぎた利息の返還を求める「過払い金返還請求」で一世を風靡した法律事務所だ。

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弁護士界の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年

司法制度改革から10年が経った。法曹界の2割しか機能していない現実を「2割司法」と呼んで問題視し、矢継ぎ早に司法制度が改革されてきた。市民に近い弁護士界を掲げたり、弁護士人数を増やそうと司法試験制度や法科大学院制度を整備したり、さまざまな改革を行った。同時に、過払い金返還請求という空前のバブルも到来した。しかし、弁護士界は制度の理想と現在の姿は必ずしも一致していない。改革とバブルに激しく揺らされ、ただ混乱をしているように見える。

「弁護士界の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年」

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