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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

政治・特許・シェア・ライバル
4つの要素で見る「独占の系譜」

高田直芳 [公認会計士]
【第79回】 2012年3月16日
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 今回は、右表の企業を取り上げる。

 企業名だけを並べれば、何の関連性も見えない。ところが、たった1つの経営指標を用いることで、「独占の系譜」を展開できるのだから、経営分析は奥が深い。

 経済学は、自然独占・複占・寡占・独占的競争といった抽象論を展開する。抽象的であるが故に、筆者のような実務家からすれば「そうなのか?」と疑問を抱くケースが少なくない。

 今回はその疑問点の一つを、〔図表 1〕に掲げた企業の決算データを用いることで解明してみよう。要するに、独占といっても「いろいろあらぁな」である。

 自然独占などの形態を語るにあたって、第78回コラム(ニッサン、ヤマダ電機、ソフトバンク編)では、「需要の価格弾力性」の逆数を利用した「ラーナーの独占度」というものを紹介した。経済学ではお蔵入りした指標であっても、実務の立場から光をあてれば煌々と輝くものがあるということだ。

 ただし、上場企業の有価証券報告書や四半期報告書から、「需要の価格弾力性」や「ラーナーの独占度」を解析するのは手数を要する。XBRL(extensible business reporting language)が定着したとはいえ、「需要」に関するデータを有価証券報告書などから拾い出すには、それなりの注意が必要だ。

 別の方法はないものかと筆者のほうで考案したのが、同じ第78回コラムの後半で紹介した「タカダ式バリュー度」である。これは「供給の価格弾力性」の逆数を利用したものだ。例えば、NTTとJR東日本の「タカダ式バリュー度」を描いたのが、次の〔図表 2〕である。

 〔図表 2〕の中央にある赤色の水平線は「1倍」を表わしている。以下の図表でも同様である。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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